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倦まず弛まず

目指せプチ科学。馬鹿は馬鹿なりに考え続けるのだ!!
甘く仕上がる簡単どぶろく
去年作ったのよりもおいしいどぶろくができてしまいました…どうしましょう。マッコリみたい。
イースト臭さが気になるものの、味と香りは芳醇にして爽やか、熟したプラムのような甘酸っぱさに乳酸発酵のにおい。
トロリとしていながらもぴりっと舌を刺す微かな炭酸、鼻に抜けるアルコールとバナナのようなフルーティな香り。

例えるならそう、「梅酒カルピスソーダ割り」。

…どうしてだ、とたんに居酒屋メニューになってしまった。
違うんだ、高貴な味なのですよ。


前の記事(参照:どぶろく作りました)では梅酒を漬けるような大きなリカーポットを使って、大量のどぶろくを作りましたが、今回はもっと少量を手軽に作る方法を見つけました。
ぱなこは昔から甘酒(酒粕じゃないヤツ)が好物で、始めは単に甘酒を作ろうとしたのでした。
ところが甘酒が出来上がってみるとアラ甘いじゃあないですか(当たり前)。
ご飯が甘くなったものに冷蔵庫に眠っているイーストを入れれば、どぶろくができるんじゃないかい?じゃないですかい??
ふとした思いつきで試した、ちょっと日本酒作りにしては変わった方法ですが、簡単だったし美味しく出来たので、興味があれば作ってみてください。


材料と原理のおさらい

麹:デンプンを糖に変える
酵母(=イースト):糖をアルコールに変える
乳酸菌:乳酸を作ることで麹と酵母以外の雑菌の繁殖を抑える

甘く仕上がる簡単どぶろく_e0024903_12102295.jpgお宅の炊飯器には「おやすみ保温」機能(60℃で保温)がありますか?
あればラッキー☆
無ければアンラッキー★ちょっと手間がかかります。



1、甘酒を作る
米一合を水500mlでおかゆに炊く。
炊いている間に麹200gを細かく砕いておく。
おかゆが炊けたらざっと混ぜて70℃くらいに冷まし(これ重要!!!!)、麹を混ぜ込む。
おやすみ保温にセットする。
6時間後に出来上がり。

ぱなこはこの甘酒を冷たいミルクで3倍程度に割って飲む(食べる)のがだ〜いすきです。
麹のひとつぶひとつぶの中身が溶けていて、噛むとぷちゅっと潰れて甘いのダ。
ん〜〜…あえて例えるならその食感はみかんのつぶつぶみたいな?イクラみたいな?ちょっと違うか。

おやすみ保温が無い場合は炊飯器のふたを開け放して代わりに濡れ布巾をかけ、1時間ごとに60℃くらいであることを確認する。だそうです。57℃以上66℃以下を保つのが良いようです。


2、甘酒を酒にする
広口で蓋付きの容器を用意して殺菌する。ざっと水に濡らしてレンジで1分程暖め、ふきんで拭かずにちゃっちゃっと水気を切る。
1で出来た甘酒を殺菌した容器に好きなだけ(全部でもいいよ)移し、冷ます。
体温くらいまで冷めたらドライイーストを少し(小さじ1/4とか。適当。)ふりかけ、よく混ぜる。
常温(15℃くらい)に放置し、1日1回腐っていないか匂いを確認して混ぜる。

甘く仕上がる簡単どぶろく_e0024903_12112260.jpg
試しに作ったので、これっぽち



3日くらいでアルコールがはっきり認識できるようになり、5日くらいで飲みたくてしょうがなくなるかと思います。
ぱなこは5日目に消費してしまいましたが結構アルコール度数が低くて甘みが強かったです。
もう少し置いておくと甘みが減ってアルコールが増えて辛口になるはずです。


3、絞る
ボウルの上に、そのボウルにすっぽりはまり込まない大きめのざるを乗せ、2をざるにあける。こぼさないように。
おたまでぎゅうぎゅう押してプレスランをとりましょう。
ぶどうと違ってフリーランとプレスランで味わいは変わらないと思います。

さて、酒を飲むより酒粕を食べるのが好きな人は、ざるに残った酒粕はその場でなり後でなり食べてしまえばよろしい。うまうま。
逆に酒粕より酒の方が好きな人は、清潔なふきんにくるんでギュウギュウぎゅうぎゅう、最後の一滴まで絞ればよろしい。正真正銘のカスになった酒粕は、粕汁にでもすればこれまたうまうま。
(追記2008.2.15 ざるでやると絞ってるのか裏ごししてるのか分からなくなっちゃうことが判明しました。酒にするには布巾で絞るのが一番確実でしょうが、まったく絞らずに食べちゃうのも悪くないと思います。多分凍らせてもおいしいんじゃないかと。)


絞った酒は1日程常温におくとアルコール度数が上がっていいらしいですが、今回ぱなこは少ししか作らなかったので、全部飲んじゃって食べちゃいました。
できた酒を保存するときは、必ず(i)炭酸飲料用のペットボトルを使うこと。(ii)ボトルの8割以上は入れないこと。…爆発するとボトルの破片が体に刺さるらしいですから。
漏斗で酒を移した後ボトルの口をしっかり締めて1日常温に置いた後冷やしてやると、より炭酸が溶け込みます。
ただし、まぁなんとは言っても家で作る程度のものですから、「うん、ちょっとぴりぴりするね」というレベルを超えるのは困難だと思っておいてください。


この方法のメリットは、
・甘い酒ができる
・欲しい時に欲しいだけ作ることができる
・比較的手間が少なくて済む

デメリットは、
・腐りやすい
・辛口の酒にはなりにくい
・水分量が少ないのでたくさん作るのには向いていない

ってとこでしょうか。

普通のどぶろくの醸造過程では、麹が糖を作った端から酵母がその糖を分解してアルコールにしていきますから、アルコール度数が高くなる代わりに糖は残りにくい。
今回の方法では、始めに限界まで糖を作ってからアルコールを作らせるので甘さは相当なものですが、たくさんある糖を酵母が消費するのに時間がかかり、そうこうするうちに他の菌(この時期の室温は結構寒いので、低温に強い乳酸菌がメイン)がわんさかやってきて、うほほーいと糖を消費してしまうのです。
糖は、そんでも無くならないくらいたくさんあるのですが、乳酸菌がたくさんいるとどんどんすっぱくなってしまいます。
あまずっぱい!!といって喜んでいられるうちは良いですが、注意すべきは噂のヒオチ菌(酒を腐らせる)も乳酸菌の一種だということ。
アルコール度数が十分高くない状態で糖がたくさんあるということは、腐る確率がより高いということを忘れてはいけません(自戒)。
あと、甘いので結構ベトベトします。

甘酒は、ジップロックに入れて冷凍保存が出来ます。
「ああ、ちょっとどぶろく飲みたいなぁ」と思ったら冷凍庫から好きなだけ出して来て、ドライイーストをさっとかけて一週間待つ。
この手軽さはぱなこには大変魅力的です。
アルコールに弱いので、1リットルとか2リットルとか作っても消費できないですから。

生き物相手のことなので保証はできないけど、うまくできればかなりおいしいよ!!
是非一度お試しあれ。


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